2025年5月中旬の平日、東京から自転車を輪行して「どこかにビューン」で決定された上越妙高駅へ。
そこから接続するえちごトキめき鉄道が1日乗り放題になる「トキ鉄ツアーパス」を利用して久比岐自転車道を愛車Brompton(折りたたみ自転車)で走ってきました。
片道30km超のサイクリングロードですが、現役バリバリの日本海ひすいラインが並走しているので輪行との相性は抜群です。どこまでを自転車で行くか?どこから電車でワープするか?とプランは無限大です。
今回は直江津側から自転車でスタートして筒石駅に立ち寄り、糸魚川側のゴール地点に向かいました。直江津への復路は自転車をそのまま積み込めるサイクルトレインを利用しました。
久比岐自転車道に残るトンネル

久比岐自転車道は海を間近に望むとても快適なサイクリングロードです。さらに北陸本線旧線のトンネル内を走行でるのが大きな魅力の一つです。今回、8つのトンネル全てのドライブショットを自転車に取り付けたiPhoneで撮影してみました。雰囲気だけでもお楽しみください。
長浜トンネル
直江津側からスタートすると最初に通るトンネルです。32kmのサイクリングロードを5km進んだ地点に現れます。
ここから日本海落ち込むような山に沿ったサイクリングロードが始まると言って良いでしょう。
歴史を辿ると、複線&電化にあたり、地滑りの多いこの区間を避けるという名目で廃線となり、さらにこのサイクリングロードが誕生しました。
手元の資料だと、1969年9月29日をもって新線に切り替えられたとのこと。
5月中旬の日差しの強い午前中でしたがトンネル内部は涼しいを通り越して寒いくらいでした。
青木坂トンネル
2つ目です。内部は左にカーブしています。いつまで走っても入り口が見えず、ちょっと怖くなります。面白いですね。
乳母岳トンネル
内部でカーブする青木坂トンネルから一転、長さ400m超でありながら入り口の時点で出口の明かりが見えるストレートなトンネルです。
また糸魚川側の出口はトンネル群の中では保存状態が最も良い部類に入るそうです。
鳥ケ首トンネル
2024年の能登半島地震の影響で通行止めになっていたようですが通れました。ただ、直前までの道は未だ復旧工事中でいったん国道8号を通らなければなりません。動画の撮影スタートポイントが入り口直前なのはそのためです。
トンネルの手前には頑丈そうなコンクリートの落石覆いが断崖に設置されていて、線路が海側に追いやられていたことがわかります。
動画は落石覆いからスタートしています。
地図で見ると岬の先端のような場所で断崖絶壁です。

落石覆いの直江津側の入り口にはハシゴが設置されていました。
大抜トンネル
事前の調べでは西側の入り口左側に「時計を見よ徒歩6分」という安全を確認するメッセージが残されているとのことでしたが、見当たりません。
下の写真は1996年の「鉄道廃線跡を歩くⅡ宮脇俊三著 日本交通公社」から引用したものです。

下の写真はまさに西側の入り口左側です。ポールにある「足元注意」の背後だと思います。文字は消えてしまい黄色くペイントされた下地だけが残っているようです(2025年5月時点)。

百川トンネル
でかい‼️これまでは底辺がシェイプされた美しい形でしたが、幅広でしっかりした感じになります。
動画のスタート地点から8秒目くらいまでは道路の幅が広くなっていますが、「鉄道廃線跡を歩くⅡ」によると、かつて百川信号場があった場所です。

信号場があっただけあって格式高いトンネルです。入り口の左右には「ピラスター」と呼ばれる煉瓦の柱が形成されていてます。半円形に近く内部は2車線になっています。
トンネル上部を見ると平坦なことから崖の中腹でなく設計が自由にできる地形の場所に信号所とセットで作ったのかなと想像してしまいます。内部はゆるやかに左カーブです。
小泊トンネル
このトンネルを外から見た画が有名ではないでしょうか。私もこの記事の冒頭に使っています。
途中までは落石覆いとなっていて自然光が入ってきます。
白山トンネル
トンネルの入り口あたりは1963年3月16日に起きた大規模な地滑りの現場です。
橋脚など
徳合にある橋台の跡ですが、

なんと大きな落書きが・・

その時はあまり深く考えなかったのですが、帰宅後、去年8月に撮影されたGoogleMapのストリートビューで確認すると落書きはありません。この10カ月の間の犯行かと思われます。ちょっと残念な気持ちになりました。
そのほか、沿道にはもともとあったレンガの壁を土台にして増強したと思われる壁がありました。

ホームドアの先祖?筒石駅への行き方

寄り道して3大モグラ駅と言われる筒石駅に行きます。
直江津方面からだと徳合地区で自転車道を左折して登りに入ります。標識では800mとなっています。
1kmもありませんがヒルクライム、つまり坂を上らないといけません。頑張って登れば下の写真に出会えます。NGT48 水津菜月のパネルが出迎えます。

ちなみに私の愛車は12速のブロンプトンで、内外とも一番大きなギアにして登り切りました。平坦な道ではまず使わないギア比です。
ちなみに800mほどなので押して歩いても大した時間ロスにはならないでしょう。北陸自動車道の下をくぐるところまで来ればあと少しです。
待合室から暗い階段をひたすら下ってホームにたどり着きます。列車が到着する5分ほど前に「まもなく・・」とアナウンスの音声が流れます。それを聞いてホームに降りるとちょうどよい具合なのでしょう。

階段は300段ほど。誰もいないせいか、足音がものすごく響いて不気味でした。
最後の階段を降りると、ホームと待合スペースの間がかなり頑丈なドアで仕切られていました。写真の扉の先がすぐにホームです。転落事故防止のためで、元祖ホームドア(手動)と言っていいでしょう。

とき鉄の公式HPによると
「元々はトンネル掘削事業の斜抗を利用して建てられました」
ということで、この駅のために階段を作ったわけでなくこの斜坑を有効活用するために駅を設置したようです。

サイクルトレインに乗車

午前8時ちょうどに直江津側のスタート地点から走り出し、筒石駅に寄ったり動画や写真を撮りつつ、
11時半ごろに糸魚川市側のゴール地点に到着しました。
そこから国道を少し西へ行くとすぐに梶屋敷駅があります。ちょうど12時18分発の「平日サイクルトレイン対象車」があったので利用しました。
持参したBromton P-Line(S12R-X)を袋に入れず載せてみました。
(2025年4月末に納車されたばかり)
地元の人なのか、
ママチャリをそのまま積み込んでくる人もいました。私はよそ者なので遠慮して折りたたんで座席の横に置きました。
乗り放題のとき鉄ツアーパス(2000円)を持っていたので運賃は不要で、終着の直江津駅の改札で手回り賃290円だけを払いました。
袋に入れていれば無料だったのですが、この290円を支払うことで駅のホームにも自転車を持ち込むことができ、駅舎と絡めて堂々と撮影できたりします。
とき鉄のHPによると
2025年度のサイクルトレインの運行期間は2025年4月20日(日)~11月30日(日)です。雪の季節はやっていないようです。加えて筒石駅はサイクルトレインの対象外です。

2025年5月記
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